古代山城の特徴は「城壁」です。
山頂付近の斜面に何kmも延々と続いてぐるっと囲み込みます。
万里の長城のようなイメージですね。
お城EXPO2022の金田城ブースでも展示され人が殺到していた、金田城のジオラマ。
対馬観光の拠点「観光情報館 ふれあい処つしま」に展示されていますよ。
金田城は超広大なので、事前に全体像のイメージをふくらませていくといいですね。もちろん復習にも◎。
城壁は、土を突き固めた「土塁」または石を積んだ「石塁」。
大野城や基肄城の城壁はほとんどが土塁ですが、金田城はほぼ石塁です。
なんと、現状で2.2km(総延長2.6km)の石塁が確認されています。
高さはもっとも高いところで6.7mもあります。圧巻!
金田城が築かれている城山は山全体が石英斑岩の塊。
そのため、これほどまでの石塁がつくれるのです。
しかも、残存度がハンパない!
石塁のダイナミックさと残りのよさは、古代山城のなかでもダントツでNO.1です。
いや、古代山城どころか、戦国時代~江戸時代の城を含めても全国トップクラスです。
たとえば戦国時代の山城に残る全国屈指の石垣って、
どんなに残存度が高くても部分的かせいぜい数十メートル。
しかし金田城の石塁は、登城道を歩き続ける限りずーっとずーっと続くんです。
「この道のりには何もないけど、次の石垣ポイントまで頑張って歩くかあ…」と耐え忍ぶ時間はありません。
むしろ、石垣ポイントが半永久的に続くため、なかなか先に進めないです。笑
金田城はいくつか途上ルートがあって、1周制覇は上級者コースになりますが、
(時間と体力と脚力に合わせてチョイスしてくださいね)
最短コースで1か所に絞るなら、「東南角石塁」が必見です。
これが全国NO.1の古代山城の石塁!
金田城は、対馬の中央に広がる浅茅湾南岸の城山に築かれた城。
時が止まったように穏やかで静かな黒瀬湾(浅茅湾)と、ダイナミックな石塁のコラボレーションよ…!
全国の城・歴史ファン、すべての日本人、いや、全人類に見てほしい景観です。
この絶景を見るだけで訪れる価値があります。
この場所に立って歓声を上げなかった人を、少なくとも私は知りません。